「買わない」若者を安易に批判するのってどうなん?

最近ニュースで若い人たちがお金を使わずに貯金ばかりすることについて、よく取り上げられている。
昔のように車やブランド品を買わなくなった若者に対して、必ず40〜50代くらいのサラリーマンが、
かわいそうだの、自分が若いときはどうだっただの、夢がないだのと大概若い世代を批判する。
でもそれってどうなんだろうと。


昨日若い人の働きかたについてのフォーラムに参加した。
『モノ言う若者の会フォーラム〜今こそ考えよう!20代・30代の働きかたの問題〜』


城繁幸さんは、若い人たちは搾取されているのだと言う。
社員の給料は社員の年齢で決定される、年功序列の制度をとっているのは日本だけ。
日本の企業は、一度あげてしまった40〜50代の社員の給料を下げることはできず、
若い人たちを昇給させないことで維持している。


その結果、正社員同士で40〜50代と20代の間では、生涯年収(予想)の差がはっきりでている。
さらに非正社員と正社員の差は3億円もあるという。
現在20代の3割が非正社員で、女性が過半数
女性は結婚して辞めたり育児休暇をとる可能性があるため、企業からみれば雇うには割高なのだそう。
就職氷河期世代の人たちは特に非正社員が多いと聞くけども、この人たちが正社員になれないのは、
一度年功序列のレールから外れてしまったため。そういう人たちを日本企業は嫌うのだそうだ。


さらに昨日こんな記事を読んだ

新入社員:悲観的 35歳理想年収、過去最低749万円−−産能大調査

 産業能率大(東京都)は今春の新入社員750人を対象に実施した「新入社員の会社生活調査」の
結果を発表した。35歳時点の理想の年収は00年度の調査開始以来、過去最低の749万円、
現実の年収予想も過去最低の609万円と悲観的な見方が強かった。過去最高は、理想の年収が
02年度の821万円、現実の予想が03年度の638万円だった。

(毎日jpから引用:http://mainichi.jp/select/biz/news/20080705ddm008020029000c.html)


悲観的なのではなくて、もう現実になるのではないかな。
「ずっと勤めていれば将来それなりに暮らせる」という感覚はなくなっていて
「ずっと勤めていても昇給も昇格も見込めないし、将来が不安」という感覚が若い世代に充満していて
それがお金を使わなくなって貯金をするようになった原因だと思う。


年功序列をすべて批判したいのではないし、昔の時代にあっていたのはよく分かる。
けど今にはあっていない。
企業が年齢だけで社員を評価してしまうのはあまりにも無責任だと思う。
定年まで面倒みますというなら別だが、もうそんなことができない以上能力で評価するのが社員のためだ。


当然若い世代へは年功序列の制度はもう保証されていないのに、
若い人ほど年功序列・終身雇用に対する執着があるように感じる。
そんなものへの未練は捨てなくちゃいけない。
これから能力で働ける場所を探さないと生き残れない時代になりそう。